2020年第3回公認心理師試験第11問
問11 N.Chomskyの言語理論の立場として、正しいものを1つ選べ
①言語発達のメカニズムは、遺伝的に決定されている
②どのような言語にも共通する普遍文法は存在しない
③言語の文法は、人以外の動物種にも認めることができる
④句構造規則によって作られた文の表層構造は、変形規則によって深層構造となる
⑤脳の中にある言語獲得装置は、報酬と罰の経験によって文法を獲得する働きを持つ
回答は1
Chomskyは生成文法論を唱えました。それは、人間には言語獲得装置が生まれつき備わっているため、特定の言語環境において、多くの会話に触れることで文の構造ルールを理解し文法を作り出すことが可能になる、というものです。それでは選択肢を見ていきます。
①これは上記の説明から正解と考えます
②Chomskyによると言語獲得装置の中枢で、文法への理解である「普遍文法」があると仮定していま
す。この普遍文法が親の会話などの刺激を受けて母語の文法へ変化するとしました。よって、すべて
に「普遍文法」はあると言えるでしょう
③言語は人のみに備わった能力とされています
④おそらく、表層構造と深層構造が逆だと思われます
⑤言語獲得装置が文法を獲得する過程では報酬と罰ではなく、周囲の会話に触れることで文法を獲得
するとされています。
となり答えは1となります。