2020年第3回公認心理師試験第17問

Pocket

17 公認心理師が心理相談での記録や報告を行う際に留意することとして、最も適切なものを1つ選べ

①病院からの紹介状の返事は、クライエントには見せない

②守秘義務があるため、面接内容は自身の上司には報告しない

③録音は、クライエントを刺激しないために気づかれないように行う

④心理検査の報告は、検査を依頼した職種にかかわらず専門用語を使って書く

⑤インテーク面接の記録には、観察事項に基づいた面接時の印象も併せて書く

 

 

回答は5

 

 

記録や報告について、とありますが守秘義務等に絡めて出題されています。

公認心理師の守秘義務は公認心理師法第41条に「正当な理由がなく、その業務に関して知りえた人の秘密を漏らしてはならない」となっています。この正当な理由ですが、例として挙がっているのが

・自傷他害のおそれがある場合

・虐待が疑われる場合

・そのクライエントのケアにかかわっている専門家で情報共有をするとき

・法に定めがある場合(行政に報告するよう定められている等)

・クライエントから明確な意思表示がある場合

となっていますが、自分はこれに

・属する組織で必要に応じて情報を共有する時

を挙げたいと思います。

組織内での情報の取り扱いを問う問題は第2回試験にも出ていました。参考書にはこの「組織での情報の扱い方」について出ていませんでしたが、医療機関ならば「診療録に記載して、それを院内の関係者が閲覧する」のは当たり前です。それは当たり前すぎて「秘密保持義務の例外」として出ていなかったのかな?でも大事なこととして挙げておきたいと思います。

これを踏まえて選択肢を見ると

①これは「クライエントからの明確な意思表示」があったので見せるべきです

②これは「属する組織で必要に応じて情報を共有する時」なので不適切です

③同意を得てください

④これは常に「わかりやすい表現で」を心がけましょう

⑤適切です。予診をとった相手が「寝ぐせ頭で服に何かこぼした跡があった」という見た目であった場合、それを記入しないのはおかしいですよね?

というわけで答えは5となります。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください