第19回 平成29年1月 精神保健福祉士 国家試験 過去問 第21問

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 第19回 平成29年1月 精神保健福祉士 国家試験 過去問 第21問

問題 21 精神科病院を退院したAさんは,次第に昼夜逆転した生活となり,バラン スの取れた食事もできていない状況にあった。精神科病院のB精神保健福祉士は, 受診時にAさんと相談室で面接を行い,生活のリズムを整えることがAさんのため に必要だと考え,デイケアの利用を勧めた。しかし,Aさんは,「デイケアには行 きたくない。自分は退院しているし,やりたいことがある」と語った。B精神保健 福祉士はAさんの思いを聞きつつも,Aさんの生活に不安を感じ,これからどのよ うに関わっていけばよいか悩んだ。
次のうち,B精神保健福祉士が抱く倫理的ジレンマとして,適切なものを 1 つ選 びなさい。

1 クライエントの利益と所属機関の利益
2 秘密保持とプライバシー
3 自己決定とパターナリズム
4 バウンダリーとクライエントの利益
5 専門職的価値と個人的価値

<解答と解説>
こういう場面は実務上しょっちゅう出くわします。Aさんに対してのアプローチで抱えるジレンマということですが、「こうすればいいのに」と思う提案をよく思わない当事者、当事者側からすれば「余計なお世話だ」というところでしょうが・・・
シンプルに考えると「やりたいことがある」という本人の意思と「生活のリズムを整えたい」という支援者サイドのニーズや思惑のずれをどう表現するかということだと考えられます。

ここでは「生活のリズムを整えてほしい」という支援者の考えをパターナリズム(父性的温情主義)ととらえることができれば答えは3ということになります。

倫理的ジレンマという表現があるので解答は3になりますが、実務をやっていてちょっと経営的な考え方が入ってしまうとデイケアに通ってもらう=デイケアの成績アップということになるので1も選択肢になってしまうでしょう。あくまでも倫理的ジレンマというところがポイントです。

ちなみに設問に出てきた用語を解説すると

バウンダリー 心の境界線

ということになります。これはザックリ解説するとケースに入れ込むこと捉えられるので、選択肢4は「介入しすぎる精神保健福祉士と当事者の利益」という解釈ができるかと考えられます。これが回答から排除できるのは昼夜逆転の生活の改善は当事者の利益につながるので、入れ込んで支援しても当事者の不利益にはあまりならないだろうということから除外されると考えていいでしょう。

以上から回答は3でよいと考えます。

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