自立支援医療と精神障害者手帳

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自立支援医療は精神科の外来治療費が安くなる制度である。具体的には通常は3割の自己負担が1割になり自己負担上限額以上の治療を受けるとそれ以上は負担しなくてもいいというもの。

外来で1万円の治療を受けた場合、通常は3千円を窓口で支払うがこれが千円ですむ。

自己負担上限額が5千円の場合、5千円の治療を受けて5万円の処方が出たときは自己負担が1割ならば5500円支払わなければならないところ、5千円までは支払うが自己負担上限額の五千円を超える部分は負担しなくてもよい。

というものである。これは障害者総合支援法による制度なのだが、なぜか別の法律である精神障碍者保健福祉手帳と同じ診断書で手続きができることになっている。(手帳は精神保健福祉法)

これはもともと精神科の医療費の助成制度が精神保健福祉法で定められていた名残である。今から15年位前までは精神保健福祉法による公費負担制度、通称「32条」と呼ばれる制度で精神科の外来通院費は5%でよいという制度があったのだ。
この制度が障害者自立支援法(今の総合支援法)が成立する際に更生医療(身体障害者の医療費が安くなる制度)などと一本化されることになり、制度が精神保健福祉法から自立支援法に移ったのだ。

そのため自立支援医療ができる前は手帳も通院医療費公費負担制度も同じ精神保健福祉法であったので、申請する診断書が一つで済んだのだ。
法改正に伴い、これまで一つの診断書で同時に申請できていたのに診断書を2通書いてもらうとなると負担が大きくなるということで自立支援法が施行されるときに、自立支援医療と精神障碍者手帳の申請が同じ診断書でできることとなり、現在に至っている。

この32条のころは「重度かつ慢性」なんて概念もなく、一律に5%の負担ですんでいたのでシンプルであったのだが、今ではいろいろとややこしい制度になってしまっている。
今振り返ってみるとこのころから厚労省の迷走が始まったのかな?なんて思ってしまう。制度改正という名の複雑化、これは現場も国も同様に自滅するだけだと思うのだが・・・
(正確に言うとその少し前の介護保険制度のスタートあたりか?)

話がそれてしまったが、別に知らなくてもいい精神科豆知識として頭の中に入れておいてもいいかもしれない。

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