第3回公認心理師試験を終えて(現役精神保健福祉士の立場から)

Pocket

 去る12/20、第3回公認心理師試験を受けてきました。

 新型コロナウィルスの影響で日程の延期など、始まる前から多難な試験でしたが、ふたを開けると皆口をそろえて「なんだこの難易度の高さは・・・」と話す、非常にハードルの高い試験でした。

その試験を終えて、現役の精神保健福祉士(精神科病院勤務)の立場から少し思うことを書いてみたいと思います。

 

現任者殺しの第3回試験

 twitterでよく目にしたのが「Gルート殺しの試験」という言葉です。Gルートとは相談業務に5年以上従事した人が現任者講習を受けて受験することで、過去2年はほぼ現役の臨床心理士であったと思われます。3回目になり周辺領域の専門職(看護師、福祉士、教育関係者)などが大挙して試験に入ってきたという情報がありました。(自分もそう)そういった人たちが太刀打ちできないような難しい問題だった、という意味であると考えます。

 どう現任者殺しだったのか?それは出題の内容が「参考書を読んだ程度じゃわからない突っ込んだ専門領域の内容ばかりだった」ということかと思われます。

例 精神保健福祉法に規定されてる措置入院のための指定医の診察。選択肢には2名以上の指定医による診察と書いてあった。法律には2名以上だが、実際の運用はほぼ2名による診察で行われ、参考書にも2名による診察と書いてある

というもので、実務に携わる人間も判断に迷う問題ばかりでした。その専門領域の人間も悩むような問題がほかの領域の人に解けるとは思えません。そんな問題が散見されました。そこが「現任殺し」と言われるところかと感じました。

 

 

精神科領域の問題から感じる変化

そんな現任者殺しと言われた難易度の高い問題ですが、精神科領域に目を向けると出題の仕方がスマートになった印象がありました。素人から専門家が出題者になったように感じます。

1回目の試験で不適切な出題問題として、「精神科病院に置ける隔離、身体拘束の指定医による診察の有無」を問う問題がありましたが、これを見た時の印象は「精神科領域で働いたことのない心理師がつくったのかな?」というものでした。精神科病院で実務に携わるとこのようなものは精神科実地指導で必ずチェックされる項目で、中堅どころのPSWが知らないと恥ずかしい知識です。

それに比べると今回は「措置診察は法律には2名以上って書いてあるよ」「裁判官による通報はないよ、不起訴になったら検察に差し戻されて検察官が通報するよ」という精神科(精神保健福祉行政?)で働いた経験がないとわからないような問題が出題されました。まさに「素人から専門家」に出題者が変わったと感じる部分でした・。

 

 

出題傾向の変化

そんな出題者の変化は全体の傾向にも見て取れるように思います。第1回、追試、第2回試験の問題を解いて自分が導き出した傾向は

1相談を受けたらまずはアセスメント、関係を作ることが大事でいきなり支援を始めない

2心理検査はちゃんと理解して複数ができること。

3多職種連携はとても大事。特に医師との連携、指示受けは絶対に忘れるなよ

というものでした。

「これらを踏まえた心理士を世に送りたいのね」という意図を感じました。

例えば事例は1を踏まえるとかなりの問題がきちんと問題を読まなくても正解できましたし、2に関してもしつこいくらいに「3歳の子にWISCできる?できないよね。3歳の子にできる知能検査は何?」という問題を見ました。

ところが第3回目の試験ではこれらの問題がきれいに消えてました。

これはどういうことか?

臨床心理士の現任者が消えて私のような心理士以外の人間が試験に臨むようになり、メッセージを変えてきたと解釈するべきでしょうか?

もしくは先ほど書いた出題者が変わりより専門的な人間が参画するようになったのか・・・

とにかく、試験から感じた「公認心理師に求める姿」が大きく変わったのは事実です。

和光大学の先生が「心理師試験はどこに向かうのか?」とつぶやいてましたが、まさしくこのことかと考えます。

 

どのくらい難しくなったのか?

 

 

3回の公認心理師試験の難しさを何かいいたとえで説明できないかと模索してこんな問題を思いつきました。具体的にはこんな感じで難しくなったんですよね。

1 読売巨人軍に関係が深い人物として適切なものを1つ選べ

①長嶋茂雄

②掛布雅之

③鈴木一郎

④ダルビッシュ有

⑤孫正義

回答は1

長嶋茂雄以外は巨人に在籍していない

 

 

 

2 読売巨人軍に最も関係が深い人物として適切なものを1つ選べ

①阿部慎之助

②清原和博

③落合博満

④松井秀喜

⑤桑田真澄

回答は1

阿部慎之助以外は全員巨人に所属していた時期があるが、他球団で引退している

 

 

 

こんな感じなんですよね。

このニュアンスで分かりますかね?野球に興味がある人なら例1の問題は解けると思います。例②はある程度見ている人でないとわからない問題です。

このような問題の変化がいたるところに見受けられたように感じます。

しかも、巨人についての問題ならばいいですよ。阪神ならばまだ許せるでしょう。でも、

 

 

3 北海道日本ハムファイターズに最も関係の深い人物を1つ選べ

①新庄剛志

②落合博満

③ダルビッシュ有

④片岡篤史

⑤岩本勉

回答は⑤

岩本以外は他球団の在籍歴がある

このくらいのマニアックな問題が出たように感じています

 

 

 

4回試験に向けて

これから第3回試験を振り返り何が見えてくるか考えていきますが、大きく別の方向にかじを切った心理師試験、これからの受験者はものすごく大きな壁に向かう必要が出てきてと感じます。

自分はたぶん落ちました。

一緒に頑張りましょう

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください