2018年第1回公認心理師試験第4問
問4 森田療法について、正しいものを1つ選べ。
① 「精神交互作用」の過程を重視する。
② 創始時に多く適用された対象は、統合失調症であった。
③ あるがままに受け入れるアプローチは、「身調べ」に由来する。
④ 原法の絶対臥褥(がじょく)期では、読書は行ってもよいとされる。
⑤ 「ヒポコンドリー性基調」とは、注意が外界に向けられ他者に敏感である状態をいう。
回答は1
森田療法に関する問題。森田療法は森田正馬(もりたまさたけ)が1920年に創始した神経症を対象にした日本独自の精神療法。人間に本来備わっている自然治癒力を促し、神経症形成の根底にある執着(とらわれ)の悪循環を断つことを目指すというもの。
症状を「あるがまま」に受け入れ、これに直面しやるべきことを目的本位、行動本位にするようにさせるという。
第1期「絶対卧褥期」1週間程度、何もせず横になっている
第2期 軽作業気 3日~1週間程度 軽い作業をする
第3期 重作業期 1週間以上 重い仕事をする(読書や木工など)
第4期 実生活期 1週間以上 社会復帰に向けた訓練をする
の4期から治療が構成される。
それでは各設問を読んでいきます
1は精神交互作用について。神経症状態のメカニズムを「心身の状態に注意が集中することによって引き起こされる」と考え、それを精神相互作用としました。
2は対象は神経症なので違います
3は身調べという言葉について。これは内観法で用いられる言葉なので相応しくありません
4は読書はいつ行うか?重作業期に読書などを行うとされています。絶対卧褥期は何もしないで横になっている時期です。
5はヒポコンドリー基調について。森田療法では神経症になりやすい心気的な性格をこう呼びました。「注意が外界に向けられ他社に敏感な状態」ってなんだろう?
というわけで答えは1になります。
森田療法は創めた森田先生が慈恵医大の先生だったので、今でも慈恵第三病院では森田療法が行われてると聞きます。知り合いの慈恵の医者はそこまで「森田療法が~」っていう人は少ないような・・・ サンプルが少ないのではっきりしませんが、好きな人は大好きですよね、森田療法。自分は絶対卧辱を1日だけ体験してみたいですね。さすがに1週間はきついです・・・