2020年第3回公認心理師試験第21問
問21 T.Kitwoodの提唱した認知症に関するパーソンセンタードケアの考え方について、最も適切なものを1つ選べ。
①問題行動を示したときは、効率的に管理しなければならない
②ケアで重要なことは、介護者自身の不安や弱さなどは考慮せず、理性的に行うことである
③認知症の治療薬が開発されるまで、専門家として認知症の人にできることはほとんどない
④認知症は、第1の視点として、中枢神経系の病気としてよりも障害としてみるべきである
⑤ケアは、安全な環境を提供し、基本的ニーズを満たし、身体的なケアを与えることが中心となる
回答は5
パーソンセンタードケアについて。
パーソンセンタードケアは認知症の患者を一律にとらえるのではなく、一人の人間として尊重してケアしていくという考え方です。
まずは認知症を5つの要素からとらえ理解します。5つの要素とは
1.脳の障害(アルツハイマー病、脳血管障害など)
2.身体の状態(現在の筋力や視力・聴力、疾患など)
3.生活歴(職歴、趣味、生育歴など)
4.性格(気質、能力、対処スタイルなど)
5.取り囲む環境・社会(周囲の人の認識、環境など)
です。そして5つのの心理的ニーズを満たしていく事を行います
自分らしさ(Identity)結びつき(Attachment)たずさわること(Occupation)共にあること(Inclusion)
くつろぎ(Comfort)
です。
以上を踏まえると、選択肢⑤の「安全な環境を提供し、ニーズを満たす」というものがまさしくパーソンセンタードケアであると言えるでしょう。