2020年第3回公認心理師試験第38問
問38 インテーク面接におけるアセスメントについて、不適切なものを1つ選べ
①クライエントの生活における適応状態を確認する
②支援を受けることについての動機づけを確認する
③クライエントの問題に関連する情報を初回で漏れなく収集する
④客観的な情報収集に努めながら、クライエントの語りを共感的に聴く
⑤クライエントの問題の心理的要因だけではなく、生物的要因や社会的要因についても評価する
回答は3
まず、アセスメントで必要な考え方として生物心理社会モデルがあります。心理学的支援の場において「生物」「心理」「社会」の3つの視点で多角的にクライエントを理解するというものです。心理的側面のみを評価してはクライエントを適切に理解できないということですね。
このことから⑤は適切であると言えます。
次に、アセスメントを行うインテーク面接ですが、これは心理面接の導入でもあります。ここから支援が始まるので、いかにクライエントと関係を作るかが大事になります。情報収集に必死になってばかりいると関係づくりがおろそかになってしまいます。なので④にある共感的に聴くという態度はとても重要になります。
そしてアセスメントで確認する項目としては
氏名、住所、生年月日などの基本情報
現在の主訴
家族状況
身体的状況
心理的状況
社会的状況
経済的状況
成育歴
家族歴
本人の問題解決能力など
生活環境
クライエントの印象
潜在的ニーズ
等が含まれますこれらを踏まえると、1と2が適切であると言えます
では3が不適切な理由ですが、上記にあるような情報を一度に限られた時間で収集することは不可能です。これを集めることに必死になっていると、信頼関係もきずけません。本人が話したがらないこともあるでしょう。そういったものは回を重ねる中で確認していけばいいのです。
アセスメントは一度で終わらせるべきものでもありません。よって不適切であると言えるでしょう