市町村ごとの福祉窓口の対応能力にはかなりの差がある
あまり大きな声では言えないが自治体ごとに福祉担当窓口の対応能力には相当の差が存在する。
例えば「部屋に引きこもりがちな統合失調症の男性がいて家族が将来を心配している」といったケースの場合、A市では窓口職員が訪問して状況を把握したうえで病院や相談支援事業所とカンファレンスを行い福祉サービスの導入に至ったという教科書通りの対応をしてくれることもあれば、B市では「かかりつけの主治医に相談してください」と窓口対応だけで済ませるということが日常的に起こっている。
これは障害福祉担当だけではなく生活保護担当なども同様で通院が中断してしまったケースへの対応で協力を求めても、A市では訪問看護スタッフと一緒になってケースワーカーが訪問し受診再開について支援を行ってくれることもあれば、B市では「それはうちの仕事ではない」と無下に協力を拒否するということがある。
これは一般的な市民の皆さんにはわからないかもしれないが、いざ病気や障害を抱えることになったときにとても大きな格差となって表れてくる。特に初回のケースへの対応能力の差でその後の人生が大きく変わることにもつながる。普段仕事をしていて「この人の住所地がA市ならば今の状況が全く変わっていたのに」と感じることもしばしばである。
福祉サービスの支給決定についても財政状況もあるのだろうが、何らかの事情で就労支援B型の施設に通えなくなった人に対してすぐに支給を停止するといった対応をする場合もある。もう少しフレキシブルに対応してくれてもいいのにと思うこともよくある。
こういった福祉担当窓口の対応能力の低い市町村は他の窓口対応もぞんざいで、同僚から「B市の職員はなっていない」なんて苦情の相談を受けることもあり笑えない状況になっている。
比較的人口規模の大きな市ではあまりこういった話を聞くことはなく、人口5万人以下の自治体では特に差が目立つようにも感じる。
都道府県もかなり対応が異なることがあるようだ。一例をあげると措置入院者数の差がある。関東の自治体の中でも茨城県は措置入院者数が他の都道府県よりかなり少ないと聞いたこともある。もっと西の方に行くと圧倒的に少ないところもあるようで、そういったところは精神保健指定医のレポートなどはどうしているのか気になるところである。
こういった仕事をしていると「あの市町村には絶対に移住したくない」と思わせる自治体も出てくる。今仕事をしているところでもすぐにワーストランキングが作れてしまう。
国は地域包括ケアシステムなどとうたって在宅介護の推進を進めようとしているが、こういった要素がその構想の足を引っ張ることになるかもしれない。
保健医療福祉の従事者に実際の市町村名を挙げてアンケートを取ってみても面白いんじゃないかなと意地の悪いことも考えてしまう。
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