第19回 平成29年1月 精神保健福祉士 国家試験 過去問 第29問
第19回 平成29年1月 精神保健福祉士 国家試験 過去問 第29問
問題 29 精神科医療チームにおける多職種連携のモデルや機能に関する次の記述の うち,正しいものを 2 つ選びなさい。
1 インターディシプリナリ・モデルは,他のモデルより課題達成のために多職種間 で役割を横断的に共有することが多い。
2 マルチディシプリナリ・モデルは,階層構造の中で医師の指示・指導の下に各職 種がそれぞれの専門性を発揮する。
3 トランスディシプリナリ・モデルは,階層性はないが各職種の役割はおおむね固 定されている。 4 メンテナンス機能は,目的の一致,役割と責任の相互確認及び情報共有を基本に チームの維持を図ることである。
5 タスク機能は,チームの中に生じる誤解や葛藤に対応するコンフリクトマネジメ ントをすることである。
<解答と解説>
多職種連携に関する問題。設問にあるそれぞれの用語を整理してみましょう
インターディシプリナリ・モデル
専門職間のコミュニケーションが重視され、アセスメントやケアプラン作成などを、多職種が協働で行います。情報を共有し、一定の目標に向かって、専門職相互が十分なコミュニケーションを取りながら意思決定を行います。それぞれの専門職の役割分担はできていますが、時に応じて役割の開放性が一部あります。
マルチディシプリナリ・モデル
権威モデルともいわれるもので、多分野の専門職が、それぞれの役割が明確化された専門職が、それぞれの専門性の範囲のなかで、それぞれの高度な専門性を駆使して、治療を進めていくモデルです。
専門性に階層性があり、それぞれの課題は専門職別に達成していくことが求められるため、役割の開放性はなく、独立して実践するモデルです。
トランスディシプリナリ・モデル
チームとしての共通の目標のもと、他の専門職の知識や技術を相互に吸収し共有する、専門職相互の役割の代替可能性が高いモデルです。専門職間の階層性はなく、知識や技術について相互に寄与し、職種間で意図的に役割を重複したり役割の共有が行われます。
メンテナンス機能
メンテナンス機能とは、チームを維持し強化する機能です。チームを維持するためには、チームのメンバー相互間のコミュニケーションが必須になります。また、多職種のもつ価値や視点の違いからチーム内に発生してくる、さまざまな葛藤に適切に対処していく機能です。
タスク機能
目的達成のための課題遂行機能です。チームとしての目標を明確にし、その目標達成のために課題を明確化し、課題達成を目指してチームとして取り組んでいく機能です。
というわけで、答えは2と4となります。
<感想>
多職種連携を現場で行う際にはこういったモデルを意識することはあまりないですかね。類型化することで研究やアウトプットする際には楽になるでしょうが、在宅生活を支えるのか、入所しているケースを支えるのかで多職種連携の在り方も変わってきます。現場でいろいろな人といろいろなケースに触れてみましょう。