うつ病をスマホにたとえてみた
うつ病は怠けとか甘えと言われるととても切なくなる。
確かに外見からは判断がつかないうえに、すぐ疲れたとか休みたいとか言い出すし体験したことのない人やメンタルヘルス関係者でなければ理解しようと思ってくれないだろうから仕方ないのかもしれないけど、ちょっとそのあたりの「目に見えない病気を抱えていることを表現する」ということに挑戦してみようと思う。
よく言われる表現として「常に重りを身に着けて動き回ることと等しい」というのがある。これはかなり的を得ていると思う。これをもう少し現代風に言い換えてみると
「バッテリーがすぐに減ってしまうので省電力モードで動いているスマホのような感じ」といったところだろうか?自分の場合、うつ病になって明らかにエネルギーの総量が減ったように思う。今は抑うつや不安感はだいぶ減ってかなり回復したと思うのだけど、このエネルギーの総量が減った状態だけは根強く残っている。精神的な熱量が減っている。ドラクエ風に言うと「レベルはそのままでHPとMPが減った状態」とでもなるだろうか?
さらに不眠で悩んでいる場合はバッテリーへの充電がなされないに等しい。これはかなりきつい。体験しなきゃわからないとしか言えないよ。不眠も眠れないだけではなく熟睡できないという状態もある。うつ病患者には急速充電なんて芸当はとうていできないと思う。
これに不安感や抑うつといった気分の落ち込みが加わる。
うつがひどいときはエネルギーは30%くらいまで減っていたように思う。今でも65~80%くらいまで減った状態が常時続いているように感じる。
これは実に厄介で、人生でやることは減るわけではないので、エネルギーの消費を減らすしかない。自分の場合は交友関係をがっつり削って仕事と家庭にエネルギーを注ぐことで社会生活を保持しているようなものだ。
そんな風になんとかバッテリーの消費を抑えながら生活していると、怠けているように見えても仕方ないのかもしれない。ただ、その「怠けているように見える」ことの背景はこんな事情があるのだと思う。その点について理解が深まってほしいと思う。