殺すぞと言われるとさすがに堪えるという話

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精神科にいるとよくある話なのだが精神運動興奮で急性期病棟に入院する統合失調症の患者さんに「お前殺すぞ」などと言われることがある。付き合いの長い患者さんが状態が悪化して入院してくる際に言われることが多いかもしれない。病気が原因なのでこればかりは仕方ないとは思うのだがさすがに殺すと言われると堪える。

こう言われるのは入院前に支援していた患者さんに多く、そういった対象から言われると余計に堪えるのだ。

さすがに10年以上この仕事をしているので今までに幾度となく繰り返されてきたことであり慣れてしまったと言えばそれまでだが、やはりこの一言に対しては言われたその日1日は気持ちが重くなる。どんなに熱心に支援してきたといえどもその支援の在り方がその人に対してマッチしていなかったのかもしれないなどと考えてしまう。

まだ経験の若いPSWがこのような言葉を投げつけられるとさすがにショックも大きいのではないかと思う。最初に言われたのがいつのことだか忘れてしまったがその時はやはりショックを受けていたのではないかなと言う気がする。

介護介護保険施設などで高齢者に対しての虐待や死亡事故が発生するとTwitterなどのSNSにおいて自分たちは日ごろから暴力や暴言等を浴びせられておりとても過酷な環境であり、虐待などをしてしまった職員に対して同情的なコメントが寄せられているところを目にする。

それに対して世間一般はそういう仕事なのだから耐えなさいなどと言う風潮であるが、どんなに訓練を積んでもやはりショックなものはショックである。暴言だだけならいざ知らず殴る蹴るまで起きるのだ。介護の現場は過酷だと言うコメントをよく目にするが肉体労働がきついと言うだけではなくこのような精神的な辛さも存在する。いくらアンガーコントロールなどの訓練を受けていても限界はある。

それでいて待遇がいいわけではないので辞めていく人が多いのも納得できる。自分などは今更ほかの仕事で食べていくこともできないので続けているが、毎月のように「死ね」とか言われるのはとてもつらいのだ。

どうか、現場のこういったつらさにもフォーカスされるような状況になってほしいと願うのだ。

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