理解していないものは拒否されるという話

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人が提案を拒否する場合、理解して考えたうえで拒否する場合より「理解できないから拒否する」ということが圧倒的に多いと感じている。特に福祉サービス等の場合は顕著だと思う。介護保険でヘルパーは受け入れる人は多いが、デイサービスやショートステイを拒否する人は多いと実感している.。その多くは「ヘルパーは分かるけどデイサービスってなんぞや?」なんて心理が背景にあると思う。これは日々の実務では理解していればたいして問題になることはない。まずはヘルパーを導入して徐々に介護サービスを理解してもらってデイやショートにつながればいいのだから。

 

 自分がもっとハードルが高いと感じているのは障害福祉サービスの本人説明だ。例えば「就労継続支援事業所に通って就労移行支援を利用し障害者雇用を目指す」。これを一度に理解できる人っているのかな?「働きたいです」と相談に来た人にこれを説明するのって多分不可能。特に日常生活は何とか送れている知的障害のケースでこの仕組みをきちんと伝えるのって無理じゃないかな?

 制度の仕組み自体は悪くないと思うのだが、主に利用する人たちに適切な理解を求めようとしていないと感じることが多い。厚労省は事業のデザインで「主なユーザーがきちんと理解して受け入れる」って発想をしていないよね。通訳する人として福祉専門職がいるだろう、と言われればそれまでだが、我々の本来の役割は厚労省の制度を分かりやすくユーザーに伝えること、ではないんだけどな。

 まあ国の制度全般に言えることなんだけどね・・・

 生活を支える給付金をもらうのに手続きがわかりにくくて本来もらうべき人がもらえないなんてよくある話だし、そういうお金が必要な人ってすぐに理解できる人たちじゃないのだから、もう少し配慮してもいいと思う。

 サービスが必要な人のうち、一定割合で長文読解ができない人がいると感じているが、そういう人にわかりやすく制度を伝える方法論ってすごく大事だと思うのだが、その方法論が話題に上がることは少ないと思う。「あの人は了解が悪い」とかいって片づけてるけど、そんな単純な話ではないと思うのだ。

 

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