病院から見た社会保険労務士による年金申請
最近は障害年金申請を社労士に依頼するようになったけど、いつくらいから社労士が手を出すようになったんだろう?少なくとも自分が精神保健福祉士として働き始めたH14年のころは障害年金申請の支援は精神保健福祉士のお仕事の一つで、社労士が手を出していなかったように思う。
さて、そんな社労士による障害年金申請だが社労士も玉石混交で、とんでもない人が紛れ込んでいる。彼らに依頼すると確かに楽なんだけど、長いこと精神科でPSWをやっていると、社労士の個人差が激しすぎて困惑することが多い。というわけでこれまでに経験したひどい社労士について書いていこうと思う
1.障害等級トラブル
ある日突然、PSWあてに電話がかかってきた。患者さん曰く「障害年金2級がもらえると言われたのに受給できなかった。どうしてくれるんだ」と言う内容。いきなりそんなこと言われても困るし、自分は障害等級を断言したことないんだけど・・・ と話を聞いていたら、社労士に年金の申請手続きを依頼した際に「あなたは2級がもらえます」と言われその気になっていたら審査の結果非該当になったというもの。社労士に抗議しても結果は知りませんとバッサリ。そんなわけで怒りの矛先が病院に向いたというもの。担当していた主治医に聞いてみたら「診断書を作成する際に本人に受給できるか分からないと話をしても社労士は大丈夫と言っているの一点張りだった」というもの。
なぜ断言したのか理解に苦しむが、ぶっちゃけ社労士は手続してお金がもらえればいいので受給の可能性が低い人でも申請させちゃうんだよね。もちろん成果報酬が入ったほうがいいけどひどい人は着手金が手に入ればいいから受給の可能性が低い人でも申請させちゃうことがある。
その患者さんもまずは病院に相談してほしかったが・・・
障害等級については診断書の内容に大きく左右されるのでまずは主治医や病院に相談したうえで社労士に手続きを依頼するほうがいいと思う。
2.納付要件トラブル
これは上記よりひどいかもしれない。以前自分が相談を受けて年金の納付要件を満たせずに年金申請を断念したケースがあった。その患者さんはなぜかよくわからないが、社労士に「あなたは障害年金が受給できます」と言われ、診断書の作成依頼をしてきた。悲しそうな顔をしながら「社労士に自分はもらえないと何度言っても話を聞いてくれない、絶対に貰えるといわれしぶしぶ手続きをする」と話していた。たけいが社労士とやり取りして説明すると申し出たが相手が怖いからということで、申請手続きは行うことになり、案の定納付要件を満たしていないことを理由に却下された。未納があるから受給できないと言ってる人の申請を強行するのは手付金欲しさにめちゃくちゃやってるんだろうなという印象しかない
3申請代行する気がない
これが一番ひどかった。手続きはすべて当事者が行い、社労士は口を出すだけで何も代行してくれないというもの。書類の作成などの助言はあったがそれだけで、すべての手続きは患者さんが自分でやったとその人は話していた。「何のためにお金を払ったんだ?」と悲しい顔をしていましたよ。これは病院のソーシャルワーカーでもできるよね・・・ 病院のソーシャルワーカーなら無料ですよ・・・
とりあえず記憶にある3つのケースを紹介させてもらった。似たような事例は全国にあるだろうな。年金申請はとても大変だけど、まずは病院職員に相談してほしい。そのうえで社労士を選択するならばそれを否定する気はないけれど、最低限受給できるかの相談は病院職員でもできるのでそれを踏まえて手続きの代行を依頼するか考えてほしいと思う。